ブログ「クロロフィル通信」

2022.03.11 [ クロロフィル通信 | 栽培サポート ]

3月の管理のポイント

こんにちは、栽培サポート課です。
今回は、3月のトマト・イチゴの管理のポイントをご紹介します。

3月は、換気や給液管理が変わりますので、ポイントを押さえておきましょう。

ポイント①結露させない換気管理とは…?
「露点」と「温度」の変化に注意が必要です。

下図は、ミニトマトで裂果が発生しているハウスの、ハウス内温度、露点、日射量を表したグラフです。
トマト 裂果が発生しているハウスの環境グラフ

朝8時から9時にかけて、温度・露点ともに急上昇しています。
ここで、ハウス内の温度と露点は重なっておらず、結露しないかのように思われます。しかし実際は、ハウス内の温度上昇よりも、果実の温度上昇が遅れるため、果実の温度は露点に達し、結露してしまいます。結果として、裂果が発生することになります。

一般的に、1時間に3℃以上の温度変化があると結露すると言われています。1時間に1.5℃程度のゆるやかな変化にとどめるように、午前中の換気温度を下げましょう。

【お問合せへの回答事例】
Q.サイド換気や内張りカーテンはいつ開けたら良いか?(埼玉 ミニトマト生産者様)
A. サイドを開けると風が入り乾きやすくなるので、極力天窓のみで管理しましょう。風上側の天窓を少し開けるようになったら、朝、内張りを全開にし、日中は天窓で温度を調整します。さらに、天窓が全開になる時期になれば、朝早い段階でサイド換気を5-10cm開けるようにしましょう。

※イチゴの場合、谷換気だけでは間に合わなくなったら、内張り・サイドともに開けましょう。重油が高いので、夜気温が低い間は内張りをしておくと良いです。

ポイント②給液管理の変更にご注意を!
3月は、温度が上がり、地上部にかなりストレスがかかってきます。給液回数を増やすと同時に、ECは少し下げる管理に変更します。
トマトでは、光合成量に合わせて葉かきの枚数も変えましょう。3月以降は日射量が増えるので、葉の枚数は増やします。

また、せっかく給液量を増やしても、機器が汚れていては、十分な量がかかりません。
特に、フィルターには汚れが蓄積しやすいので、一度掃除をしてみましょう。

◎3月におすすめの資材
 「レディヒート」 「トランスパー
☆熱線をカットすることで、ハウス内の温度を下げます。
☆換気頻度が少なくなるので、ハウス内に乾いた空気が急に入りこむことを防ぎます。

おすすめ資材のお問い合わせは、お近くの営業所、またはHPにてお問い合わせください。

2022.01.21 [ クロロフィル通信 | 栽培サポート ]

日射が強くなる2月の備え

こんにちは、栽培サポート課です。
12月、1月は低日照の時期ですが、2月に入ると日射量が急激に増えてきます。
日射量が増えると、施設園芸では施設内の温度が日の出とともに急上昇します。

温度の急上昇によって起こる問題
・気温と果実温で差ができて結露が発生→灰色かび病やミニトマトでは裂果の原因になります。
・温度上昇に伴って飽差も上がる(湿度が下がる)→葉からの蒸散に根の吸水が追いつかず萎れます。

対策は、早めの換気や早朝加温で、ハウス内の温度を急激に変化させないことです。換気や暖房機の制御盤の設定で工夫してみましょう。

病気・萎れ対策でおすすめ資材は「64never」です。

64never

天然物由来の植物コーティング剤です。
葉の表面にあるクチクラ層の傷んだところをコーティングします。
それにより病原菌の侵入や葉面の過剰蒸散を軽減します。

規格 
2kg・300g/袋

使い方
1000倍希釈液を100~300L/10aで散布。

10~14日間隔で、定期的に散布するのが効果的です。
植物表面をしっかりコーティングするために、まくぴか等のシリコーン系の展着剤との併用をおすすめします。
*少しずつ添加撹拌しながら64neverを投入して希釈液を作成してください。
*クエン酸、鉄、カルシウムを含む液肥の混用はお避けください。
*使用後は機器を必ず水洗浄してください。

おすすめ商品のお問い合わせは、お近くの営業所、またはHPにてお問い合わせください。

2021.12.15 [ クロロフィル通信 | 栽培サポート ]

ハウス天井フィルム外面に付着する「藻」の除去試験

最近、車を運転中にお客様のハウス天井フィルムの外側面に藻が発生しているハウスを見かけ、非常に気になっております。
冬場を向え、日射量も少なくなってきている中で、「植物に対する日射量不足にならないか?」といつも思っていたところ、あるメーカーさんより夏場の高温対策で使用している遮光用塗料の除去剤が、ある程度フィルムに付着した藻や汚れにも効果があるという話を伺いました。

早速、その遮光用塗料の除去剤を、私の知り合いの農家様にお願いし、動噴をお借りして塗布試験をしてみました。

塗布状況
塗布状況

基本の使用方法は
除去剤と水の割合は1:7で、10aに原液20ℓ使用します。塗布後3時間ほど経過後水で洗い流します。今回は、原液5ℓを倍率は基準通り希釈し、エフクリーンナシジの屋根面0.7aぐらいの面積に塗布をしました。(作業軽減の為雨を待ってみました)


未処理区 処理区
未処理区 処理区
                         
塗布後、2回の雨で改善されたかを確認しましたが、驚くほどの効果は見られず、改善度合いで言えば10%ぐらいといった所でしょうか。

塗布後の確認写真(外から見た状況と内側から見た状況です)

屋根面外側 屋根面内側
屋根面外側 屋根面内側
未処理区  処理区   処理区   未処理区
今回の塗布試験では、ハウス天井フィルムに付着する藻の確実な課題解決とはなりませんでしたが、今後もやり方を変える等して、解決策が提案できるといいなと思っております。

営業サポート課スタッフより

2021.11.22 [ クロロフィル通信 | 栽培サポート ]

ココバッグ品質検査のご紹介

トヨタネのココバッグ栽培システムに欠かせないココバッグは、入庫すると栽培サポート課のスタッフが品質検査を行います。

ココバックの原産地スリランカからコンテナの入庫日が決まると、倉庫まで入荷品の一部を抜き取り検査用として引き取りに行き、製品の製造番号、復元前の大きさ・重さなどをチェックし、さらに復元検査行います。

復元検査に使用する水は、季節による温度変化が少ない研究農場の井戸水を使います。
復元は、約半日かけて行い、復元後のココバックの大きさ、排液のEC(電気伝導度)、復元排水後のココバッグの重量を計測し、入庫したコンテナのココバッグがお客様へ出荷ができるようになります。

また、入荷後半年経過した製品の品質検査も行い、検査結果を工場と情報共有して、いつでもお客様に高品質な製品を、安心して使っていただける体制をとっています。

レギュラー規格品以外にお客様の要望に合わせ、培地組成・排水性や培地容量の異なる規格などもあり、規格ごとの特徴や経年変化も含め、研究農場にて栽培確認をしております。

栽培相談とあわせて、ココバッグの取り扱い方法や更新などのご相談も当社栽培サポート課にお任せください!


昔、ココバッグの商談でスリランカを何度か訪問しましたが、空港→ホテル→ココバッグ工場→ホテル→ココバッグ工場だけで観光地は訪問していないので、コロナ禍が明けたらいつか世界遺産「シギリヤロック」、古都「キャンディ」までのお茶畑を通る高原鉄道、ピンナワラの象の孤児院など・・・・・、愛妻とスリランカ旅行をしたいと思いながら、ココバッグの品質検査を行っています。   

ココバック品質検査 

2021.09.16 [ クロロフィル通信 | 栽培サポート ]

栽培サポート課の近況

こんにちは。
栽培支援部 栽培サポート課のスタッフです。

今年は、夏の長雨の影響もあったためか、秋が早く来た感じがします。
実際に9月上旬では、最低気温も例年よりも低い日が多く、「残暑厳しく」という日は少ないようです。

そんな中お客様の圃場にお伺いし、栽培に関するお話をしていると環境制御の話になります。
これからの時期は、涼しくなり窓が開いている時間が減るので、環境制御に取り組むには最適な時期がやってきます。

弊社の環境制御機器は、本格的な統合制御ができる「プロファームコントローラー」を始め、導入しやすい当盤シリーズがあります。

「環境制御とかよくわからない」、「使いこなせるか心配」
・・・などで機器の導入を迷っている方には、まずはハウス内CO2の制御を行う機器「CO2当盤」を導入されてみてはいかがでしょうか?
「CO2当盤」なら、お手持ちの炭酸ガス発生機に接続するだけで、CO2の濃度制御ができます。
CO2濃度が制御できれば、CO2の無駄を防止した施用や、効果的な高濃度施用もできるのでオススメです。
詳しくはこちら 

また、これから保温が始まる時期にオススメしたいのは「だんぼう当盤」です。
ハウスに内張りなどの保温資材を設置するだけで、夜間の湿度は急に変わります。
ハウス内湿度は植物への影響もあるのですが、病気の発生リスクも上がります。
そのような時に「だんぼう当盤」の除湿機能はお役に立ちます。
詳しくはこちら

環境制御以外にも、栽培のことで気になることがあれば、お問い合わせ下さい。

2021.08.06 [ クロロフィル通信 | 栽培サポート ]

研究農場の次作準備

こんにちは!研究農場です。

8月に入り毎日暑い日が続いていますね。
先月から農場では次作に向けて準備を進めています。

7月上旬に大玉トマト・ミニトマト、
農場の次作準備 トマト①    農場の次作準備 トマト②

7月下旬に冬キャベツ、
農場の次作準備 冬キャベツ


8月上旬にカラートマト・枝豆・南瓜、8月中旬にブロッコリー、
9月中旬にイチゴ、10月上旬にキュウリの栽培が始まります。
これらがどんな風に成長するのか今からとても楽しみです。

研究農場では品種比較試験や栽培試験、商品開発を通してお客様に有益な情報をお届けできるように日々試行錯誤しています。

直接農場に来ていただく農場見学やこのご時世に対応したオンライン見学もあるので興味のある方はお問い合わせください!
また、試験について詳しい内容は農場日記にも載せているのでぜひご覧ください!

*農場視察に関する問い合わせ*
TEL:0532-41-2007(トヨタネ研究農場)
HP問い合わせフォーム:https://www.toyotane.co.jp/contact/
または、担当の営業スタッフまで。

2021.07.16 [ クロロフィル通信 | 栽培サポート ]

最近の豊橋の栽培サポート

こんにちは。
セミの鳴く季節になりましたね。夏が来た!という感じがします。

さて、今回は、わたしが担当している豊橋地区のお話を少し。

私の所属する栽培サポート課は、ココバッグや、その他の養液システムを導入してくださった方を主に訪問しているので、トマトやイチゴを栽培されている方が多いですが、私の担当する豊橋地区では、ココバッグでエンドウやナスなどを栽培されている方もいらっしゃいます。

トマトを周年栽培されている方の多くは、ちょうど今、作の終わりを迎えていらっしゃいますね。

最近、豊橋地区を廻っていて、今作を終えるに際しての質問や、次の作を迎えるに際しての質問をいただきます。

今作を終えるにあたって、

○栽培について…
 大玉トマトで最後に尻腐れを出さないようにするには?
 最後まで樹をもたせる方法は?

○給液の装置について…
 液肥の減り方に差がある(液肥ポンプの吸い方に差がある)のを解消したい!

次の作を迎えるにあたって、

○栽培について…
 次の作の最初の給液管理はどうすれば良いか?
 ミニトマトのメガネ対策は?

皆さまからのご質問で、私自身も勉強させていただいています。
入社して2年目ですが、皆さまへお役に立つ情報が提供できるように日々精進していきます。

2021.05.17 [ クロロフィル通信 | 栽培サポート ]

土壌分析をしてみませんか?

こんにちは。

気付けば5月も半ばになりました。
この時期は…特に会社勤めの方は健康診断シーズンですね。
病院に行くのも注射をするのも大の苦手ですが…、1年に1回、自分の健康状態をしっかりと確認する大事な機会!と自分に言い聞かせて受けています。


同じように、作物を栽培している畑の「土」の状態も、次の栽培で最適な管理ができるように、診断してみてはいかがでしょうか?


弊社では、昨年から土壌分析サービスを始めました。
「トヨタネ土壌分析」では、土に含まれている肥料成分のうち、主となる6成分を分析することができ、含まれている成分量の数値と、バランスが一目で分かります。
  圃場画像  土壌分析一例

現在の養分状態や、何が過不足になりやすいか…など、畑の特性を知る事で、次作に向けた土作りや施肥の目安となり、作物に合った土壌環境を作れます。
過剰気味の成分は、肥料を省いてコスト削減に繋げる事も可能です。
分析して数値として見てみると、自分の畑の意外な特性が見えてくるかもしれません。

「トヨタネ土壌分析」は、依頼を頂いてからあまり期間をかけずに、スピーディに結果をお知らせする事ができます。
また、希望される方には、土壌の性質や作物特性を考慮した土壌改良資材、施肥設計なども合わせてご提案させて頂きます。

土
本日も一件、分析依頼を頂きました。
ちなみに…分析する土の量は、お茶碗一杯分くらいで十分です。


ご興味がある方は、是非お問い合わせください。

2020.08.21 [ クロロフィル通信 | 栽培サポート ]

土壌改良材の目安

こんにちは大変暑い日が続きます!(´。_。`)
2週間ほど前に立秋(8/7)も過ぎました。

現在秋冬作のキャベツは定植が始まっています。
残暑厳しく育苗トレーの128穴、200穴で定植のタイミングも難しいかもしれません。
この暑さを考えると128穴の方が余裕がありそうです。

定植

本日は単位について
土壌改良材の場合10aの目安で20kgで2~5袋など記されています。

最初のころは丸暗記です。
よく考えると( ̄ー ̄?)..ハテ

なんでも目安となる根拠があります。
計算、算数です。

土作りするに当たり基準となる10a当たりの土量は一体どのぐらいで考える。

①まずは土の比重としての考え方として比重を仮比重として1.0として考えます。
(一般的には㎥(立米)かもしれませんが)
②作土、作り土の深さを10cmと考えます。

1mの立方体(1☓1☓1)=1トンとします。

10aの畑を仮に20m☓50m(面積1000㎡)☓作土深さ0.1m(10cm)☓1(t)=100t
肥料の施肥量や土壌改良材の目安が出てきます。

投入する材料のph要素で投入する量が仮定できます。
多すぎないようにがポイント。

土壌分析の必要性や地域の土質、土壌の特徴、排水性、CECなどなど多くあります。
土壌は結構宇宙的なのかもしれません。

編集室




2020.07.20 [ クロロフィル通信 | 栽培サポート ]

培地レス養液栽培について アーカイブ1993年~1994年

この写真は1994年1月のもの
培地レス菊栽培 培地レス菊栽培 培地レス菊栽培
スプレー菊栽培の様子です。
弊社の農場、今は苗生産施設に変わりました。
仕組みはクラレ式(多分)サンクスという栽培方法と思いました。
底面給液と上からのかけ流し給液方法。

定植パネルは多分カーネーション用だったと思いますが時間が経過しすぎて分かりません。
大葉栽培でも当時養液栽培スタッフの実家で行ったと記憶しています。

ただし根マットになり土耕であればトラクターで鋤き込むことが出来る。
この方法は根の残渣を片付ける作業が増えるコメント。
土作りは不要となるが根の片付けが必要となる。トラクターレスで安全度は高まる。
栽培的にはシンプル。話のオチは必ずどんなものにもあります。

生育は順調(当時の農場長)日持ちも良かったと聞いております。
実際に行った若い農場スタッフのコメントは分かりませんが。
この試験資料は現在残っていない?
またクラレは既にこの仕組みから撤退している。

先日紹介したパーライト耕について
菊の挿し芽の育苗はパーライトでおこなっていたと記憶しています。
ただしパーライトの規格は分かりませんが?
通常パーライトは黒曜石、真珠岩ですがこの試験では松脂岩 パーライト。

ヤシガラを培地として菊の新たな栽培試験を行ったのは記憶しています。
所感ですがヤシガラの代わりにパーライトを薄く引き詰めて養液栽培でも可能性であるのでは、
また生分解性の不織布を敷いてそれに菊の苗を定植するのも良いのかと当時思いました。
いろいろな栽培法を試みている生産者の方はいるかもしれません。

ただしオランダの菊栽培は土耕栽培です。
フラワーネットは金網で上下に移動します。
だいぶ昔からかなりシステム化されています。

編集室