ブログ「クロロフィル通信」

2016.06.09 [ クロロフィル通信 | 営業所だより ]

ブドウ雨除けハウスの思い出!

今から約30年前のブドウ雨除けハウスの資料が残っていました。
当時の写真をスキャンしてPDFデータとして残したものです。
4枚しか残っていません。

記憶を頼りにブログ記事を書いてみます。

このハウスの規格
間口4m×軒高約2.5~2.7m位
主骨材:直径38.1mm×長さ5500mmをアーチ状に曲げたものです。
スパン:2750、(この間は概ね450mmで直径19.1のアーチパイプを取り付け。)
被覆フィルム:農サクビ(厚み0.075×幅5400×100m)・外側棟(幅7200)

この写真では谷にレインペットが取り付けてありますが標準は雨水を利用するためにありません。

  


妻面はこの写真では妻柱材は直径38.1とビニペットを使用していますが当初の設計では
直径22.2パイプを縦横使用して妻面フィルムはパッカーで押さえていました。

この仕様変更は良い材料使い部品点数減らしコストダウンと同時に強度アップ、施工のスピードアップ、
その後のフィルム張りのし易さを狙いました。

シンプルがベストです。
材料色々計算をしてこれでいけると判断して仕様を変えました。

このハウスの特徴で一番なのは一部部品の代わりに番線使用していることです。
規格ユタカ 5種メッキ線 10番線(太さ 径3.6mm×50kg)

主骨材と主骨材同士を留める。
中間のアーチとアーチが合わさる谷の留めに使用する。

このユタカ線は一般的に半鋼線と言われ鋼線より柔らかめで作業しやすく捻っても捻じ切れない。
見た目は黄金色ですね!(捻る工具は、ラチェットやドライバーなど)

これを部品に代替するとなるとコストアップになります。
雨除けハウスに求められるのはやはりコスト、大事です。



ブドウ雨除け施設は色々とあります。
愛知県内だけでも空洞のプラスチック線材を使ったもの。
ワイナリーなどの雨除け施設、静岡方面での方式。

私が見たものでユニークと思えたのが大阪方面の雨除け施設。
この施設の外張りフィルムは全て原反張り230~270幅位でここでのハウスはどちらかと言うとパイプ支柱で谷山を作ってフィルムを展張、表現的にはフィルムハウスのイメージを受けました。
換気は原反と原反の間を空けて開閉しているようでした。(画像左をクリックしますと右上)

当時(旧名:食とみどり)羽曳野の試験場へ時々試験の関係で訪問していました。
その当時の出張報告書内画像を取り出してみました。(2003年4月2日撮影)


駒ヶ谷のブドウ(種無しデラウエア)


最後に私が出来なかったこと、標準化です。
身の回りを見ますと基本的な規格の基が尺貫法が基準となっていることが結構あります。
農業資材のマルチやフィルムの幅、田・畑の大きさ、建物、事務所内にあるもの、少なくないです。


施設園芸で使用しているハウス、全国的な施設面積は減ってきています。
圧倒的に多い施設はパイプハウス。

これに代わる次世代型の安価なものが見当たりません。
昔あったハウス、キュウリなどの2間間口のアングル(L鋼)ハウス、ステンレス(L鋼)を使用したハウス、昔あったハウスも参考で頭の中で描いてみますがそれらの販売経験も無く、長所短所の特徴が分からないのでイメージングが難しいですね。現実いいアイデア出てきません。もしアイデアが出ても1人では出来ません。
標準化、強度計算、目標とするコスト・求められる販売価格、作業性、栽培性、環境性、使用する鉄骨目標重量・・・
中々難しいですね。

記事の終わりにここの地域雨除けハウスで栽培している種無しブドウ(巨峰)は大変美味しかったです。
生産者の方の庭先で販売しているものを買ってくる別格でした!

記事 経営企画課 スタッフより

前の記事を見る

次の記事を見る

トラックバック

このページのトラックバックURL:
https://www.toyotane.co.jp/p/trackback/000848

コメント

この記事に対するコメントはまだありません。

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

前の記事を見る

次の記事を見る