2011.10.07 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
昨日茨木のモアークグループという農業生産企業グループを視察してきました。
モアークグループとは、茨木県つくば市に本拠を置き、伝統農法による有機農業を中心に、生産・流通(直売)・加工を通じて高収益を実現している企業です。西村松夫代表は、カーギルジャパンを経て、一流証券会社に転職、80年代のバブル期まさにその中心にいた経歴の持ち主です。 そうした経歴と、有機農業は経済的に成り立たないと本気で思っている私は、正直「胡散臭い」「何か私にはわからない錬金術があるはず」と先入観丸出しで視察に出かけました。 しかし現地で見た西村さんの経営・理念は何十年にもわたる深い洞察と経験・労苦に裏付けられたものであることを理解しました。
①「古来培われてきた、その土地の風土に適合した農法」の帰結として「野草をたい肥化して施肥を行うことによる土作り」すなわち「草農法」に行きついたこと。しかもその草は河川の草刈りで大量に発生するゴミ(雑草)の処理を一手に引き受けるという一石二鳥の方法です。
②有機農業にもランクがある。もちろんAランク、最上級品、本物中の本物を狙う。一般農産物と比べての付加価値(具体的には単位当たり価格)を最低でも3倍以上求める。現状の平均は3.4倍とのこと。もちろんビジネスとして高収益であること。
③流通業者を通さず、価値を認めてくれるユーザーに直接売ること(ホテル・レストラン・一般消費者)、そして契約をまもること。
数えればきりがないですが、以上3点がポイントと思いました。もちろん誰もができることではありませんし、かつて世界の金融界の先端で働いたノウハウも十分生かしていると思います。しかし農林省が「農業の6次産業化」を言いだす20年近くも前に、収益の上がるアグリビジネスを計画し、実践している人がいること自体大変な驚きでした。また西村さんの人としてのとてつもなく大きな器に感じ入りました。
私は愛知県の大園芸地帯で商いをさせていただいています。農業を知らないメディア?や学者、そしてもちろん机上の理想論を描いているだけ?の官僚が、有機農業だの、アグリビジネスは21世紀の成長産業だのと述べているのは「たわごとだ」位にしか思っていませんでした。モアークグループの理念と実践だけでは、ボリュームの問題として食糧問題の全般的解決にはならないと思いますが、信念と理念と正直を基礎として「儲かる」有機農業ビジネスが可能だということを見られただけでも本当によかったと思っています。興味ある方はモアークグループで検索してHPをご覧ください。
2011.07.20 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
今年の夏は、日本中の企業や官庁で「節電」対策が叫ばれています。製造業の皆さんは本当に死活問題で大変な苦労をされているわけですから、当社においても、やはり国の方針に従うべく、遅ればせながら節電対策を講じています。とは言っても大したことはないのですが、エアコン対策として28度設定の順守、AM9:00まではエアコンをつけない、PM6:30でエアコンを切るを全社で実行中です。今の時期会社は繁忙期、多くの社員が営業から遅く帰り、事務系の人たちも残業をしています。暑い中疲れて帰ってきた社員や伝票整理が追い付かない社員が自主的に残業していただく中で、エアコンカットと言うのは、何のため、誰のためという気分にも正直なります。第一に電力が不足しそうなのは、昼間の1時から4時ごろまでと聞いているので、朝と夕方エアコンを切ることは、あまり意味がないのでは・・・? これは単に労働生産性を落としているだけではないか、また節電などと言っているのも社長の「メンツ」だけの問題ではないかと自問自答する日々です。
しかしそうは言っても日本は団結の国、なでしこジャパンが勝利したのも、団結の力だと本当に思うので、我社も何かしら課さないと世間に申し訳ないと思うのは私だけではないだろう。日本中の中小企業の社長はそう思っているのではないだろうか?
しかしカッコを付けるわけではないが、それでも節電の取組は必要と改めて感じています。エネルギー消費をこれ以上増やさずに暮らす、工夫するということはとても意義深いことだと思うし、わが社は大きな目で見れば「環境系企業」、農業は生命産業なわけですから、環境破壊、少なくともエネルギー消費についてもっと敏感な会社になるべきだと思っています。会社としてチームマイナス25にも一様参加しています。とは言っても現に暑い中クーラーなしで働いている社員から見れば社長のたわごとに映るかも・・・。
2011.05.30 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
久しぶりのブログです。しばらくご無沙汰していました。当社は4月30日決算、その後GWを挟みながら、経営計画発表会等もあり、あっという間の1ヶ月でした。しかし当社のビジネスにとってはこの5月から6月までが大変重要です。秋冬作物が中心の当地方においては、この時期に種苗の選択がきまり、また多くの施設園芸農家では、新たな設備投資案やリフォーム案が決まる頃です。売り上げ自体は少ないですが、この時期の動き次第で少なくとも上半期の当社の成績が決まってしまいます。
小生、恥ずかしながら豊橋市において農業委員を務めています。豊橋の農業委員は定員40名 内35名は選挙により選出された委員ですが、残りの5名は公選委員となります。私は非農業者ですので、議会推薦枠で農業委員を務めさせていただいています。農業委員は若干の歳費もいただく特別公務員なので、公費をいただく以上、委員会の用事は常に最優先とせざるをえません。
経営セミナーなどに行くと、「社長が、力もないくせに地元の名士気取りで公職を多数引き受けているような会社は倒産予備軍」とよく言われます。 私もその通りだとは思うのですが、「農業」は私にとって職業を離れてもライフワークと思っているので・・・・というか引き受けた言い訳として自分にそう言い聞かせています。
豊橋では毎年この時期に市長あて及び農業会議所あてに建議書・要望書を取りまとめています。私の農業委員会での最大の役目はこの建議書・要望書に関わることなのです。その時期がちょうど5月になるので、個人的には少々つらい時期ですが、毎年地域農業に関わる問題や、農家の想いを聞くことができるので、自分にとっては大変勉強になります。今は24年度建議書・要望書作りの真最中です。メディア等では農業委員会不要論や、日本農業近代化の妨げになる圧力団体のごとき言われることもありますが、少なくとも豊橋では、委員の皆さんは農業の将来を真剣に案じている人ばかりです。農地には番人が必要です。番人がいなければ「錬金術師」や「産廃業者」にいいように振り回される可能性が高いからです。
今年の要望書・建議書はまだできていないですが、昨年までのものは豊橋市農業委員会のHPで調べていただければ見ることができます。私は主に前文の作成に関わっていますので、一読いただければ幸いです。それではまた
2011.04.05 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
今回の震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
震災から間もなく1カ月と言うのに、明るい兆しがなかなか見えてきません。
その理由はあまりに被害地区のダメージが大きくかつ広範囲であること、そして福島第一原発の壊滅的な状況に光が見えないことにあります。
政府の対応も後手後手と言われますが、少しだけ擁護するならば世界でも前例のないほどの災害の復旧と原発のメルトダウン(再臨界)危機を同時に対処するようなリスク管理はまさに「想定外」と言わざるをえません。
原発事故は起こってはいけない事故なのです。
仮に千年に一度と言われるほどの事態であったとしても、原発は絶対安心が前提でなければ許されません。
そのような意味では原発は「未来の火」ではなくなったと思います。
抽象的ですが今回の東日本大震災は「文明の転換点」となると直感しています。
今回の地震はたまたま東北地方で発生しました。
私たちの地域も東海・東南海地震の震源域近くに位置しています。
今回関東東北の農業は大打撃を受けました。
被災、生産設備の壊滅、塩害、オイルによる害、そして放射能汚染の可能性、そして風評被害です。
甚大な被害の最中にある農家の皆様に対しては、政府と東電が全面的責任を持って、出来るだけ早期に営農が再開されることを願うのみです。
漁業も同様です。
東海地方は幸い今回ほとんど無傷です。
決して相手の不幸を逆手に取るような意味ではなく、関東東北の先行きが見えない間は、東海の農業が頑張らなくちゃいけないと強く感じています。
日本人は「お互い様」です。
特に農漁業は自然の猛威に最も影響を受ける産業ですから尚更です。
いつか東北の人に助けてもらわなくてはいけない時が必ず来ると思います。
日本の素晴らしい園芸農業が衰退しないよう、今は西日本の園芸農家が供給不足の生じないよう頑張る。
その過程で東北農業の復興を「お互い様」の心で支援する。
そんな思いで当社も仕事をしたいと思っています。
2011.02.22 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
中東の騒乱が止まりません。根本的な理由は長期独裁政権の腐敗と抑圧、そして貧富格差の拡大であり、直接的なきっかけは食糧価格の高騰であると思います。そして政権打倒に至るまでのエネルギー源かつ触媒はインターネットであったことに間違いありません。「IT革命」と言われる言葉はありましたが、まさに現実の「革命」を主導したのです。
振り返ってみると私の年代(53歳)は、成人してからIT革命とともに生きてきた「生き証人」です。
私は大学時代(1977年)京都で「下宿」学生でした。もちろん親元を離れたのは初めてです。京都は昔から学生が多く「下宿屋さん」が数多くありました。1階には大家さんが住んでいて、2階や離れを学生に貸すのです。私は大家さんが住む真上の2階の真四角の八畳間を借りていました。大家さんに音が聞こえるのでテレビも買いませんでした。電話は大家さんの居間しかありませんから、今思うと親と連絡を取った覚えはほとんどありません。しかし親のことは日々の生活から抜け落ちていた不孝者といえども、青春時代です。「川西はん、おなごさんから電話どすえ」と大家のおばあさんが階段の手すりにつかまりながら連絡してきます。私は1階の大家さんのこたつのある部屋の電話で、こたつに入っている大家の家族の皆さんに聞かれながら、その「おなごさん」と話をしなければならないのです。かけてくる「おなごさん」も勇気が必要だったと思います。それが私の大学4年間の ITの実態です。
会社に入り(1980年)、しばらくしてFAXなるものが普及し始めてきました。それ以前はタイプライターを使ってテレックスという時代でしたが、海外貿易に用のない我社はテレックスなど使用していませんでした。
FAXの導入を巡ってはしばらく会社で議論がありました。つまりFAXがあることがわかると「蕎麦屋の出前」ができなくなると危惧をする人がいたのです。例えば見積書を早く持って来いとお客に言われて、今までなら「出来ていますので明日お持ちします」といえたのですが、FAXですぐ送れと言われると困るということです。ほどなくFAXは普及しました。
1980年代はワードプロセッサーの時代でした。字が下手、かつ整理のできない自分には、とても重宝しました。しかしベルリンの壁が崩壊した1989年にはまだインターネットも携帯電話もありませんでした(正確には一般社会にはなかった)。したがって東欧革命にはITの力は作用していません。
90年代に入るとパソコンが身近なものとなり、ポケベル時代を経由し、やがて携帯電話が普及し、やや遅れてインターネットが普及してきたように感じます。オフコンと言われた業務用コンピューターもほとんどパソコンネットワークに変わりました。
そして21世紀に入るとインターネットと携帯電話が融合し、今はスマートフォンの時代です。私もブログは少々書きますが、ツイッターそしてフェイスブックと言われるともう距離感がありますし、クラウドコンピューティングと言われると、その概念が理解できなくなっています。
ちょうど自分が大人になったとき、あるいは社会人となったときから、情報革命が湧き上がったように思います。良い時代に生まれたというべきかどうか?いずれにせよ新たな情報革命に必死になってついていこうとした最初の世代だったような気がします。私より上の団塊の世代の人の多くは、周回遅れで取り組んでいるように思えました。抵抗感や反発心のある人が我々の世代より多かった様な気がします。
そして今も経営の前線にいる以上、これからもIT革命についていく努力をしなければいけないと思いつつ、「まあこの辺で進歩も止まってほしい」と思っているのは私だけでしょうか?
2011.02.08 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
先日の愛知県知事選・名古屋市長選・住民投票の結果は衝撃的でした。
政治的な話題を入れるつもりはないですが、今回の結果は議員さん、特に地方の議員には衝撃が大きいと思います。
名古屋の人と言うのはなんだかんだ言っても保守的でバランス感覚が良い?と思っていましたので、3倍近い差がつくとは私もまったく思っていませんでした。
「大相撲春場所中止」も天下の大事件ですが、かすんでしまうほどの衝撃波です。
永田洋子が亡くなったという記事も、私の世代(53歳)には感慨ひとしおです。
しかし今回取り上げたい話題は「穀物価格高騰」についてです。
穀物価格が高騰すると、裕福でない独裁国や貧困国で暴動が起きやすくなります。
食糧は人間の生存にとって必須条件です。
今回のチュニジアの政変や エジプトの暴動も食糧価格の高騰が引き金と思います。
エジプトは世界一の小麦輸入国です。
今後も高騰が続けば、新たな国で政変が起こる可能性が高くなるでしょうし、飢餓人口が爆発的に増える可能性があります。
独裁政権が倒れそうもない北朝鮮の民衆は生き延びられるだろうかと心配になります。
日本ではどうでしょうか?
今のところ大きな動きはありません。
これだけ穀物が高騰し、資源エネルギー価格が高騰する中で、相変わらず「デフレ」 から脱却できない経済とは、いったいどうなっているのか、皆さん不思議とは思いませんか?
TPPの反対陣営にとっては、この時期に穀物が不足気味になるのは、案外都合が良いのかもしれません。
日本の主食はお米と言うことですが、パンやうどんも第2の主食になりつつあります。
私も個人的にはパンはともかくとして、うどんやラーメンが食べれなくなったら、生きる楽しみの数%が脱落したような気持ちになります。
むしろ私は少数派で、一般的にはパンが食べれない世界など想像できない人のほうが多いでしょう。
そのパンもうどんも小麦が原料です。
さてここからが本題ですが、讃岐うどんを食べるならオーストラリア産小麦が最高です。
そのオーストラリアが干ばつ、大洪水、そしてサイクロンと大変なことになっています。
最もオーストラリアは「大陸」ですから、大陸中が大混乱になっているわけではありません。
しかし日本人は心配症だから、いざという場合に備えて国産小麦を増やし、食糧自給率を上げなくてはという議論になりがちです。
本当にそうでしょうか?
私だったら、本音を言えば(これはたぶんまずい発言だと思いますが)、自給率を向上させたいなら、「輸入小麦販売禁止令」(日本人はパンとうどんは食べるべからず)という法律を作ればよい。
減反している水田をフル活用して、お米だけを3食食べるようにすれば、食料自給率は劇的に向上することは間違いありませんし、当面は食糧危機にもならないでしょう。
何せお米の減反率はおよそ40%ですから。
しかし世界に冠たる自由国「日本」でこんな馬鹿げた政策を国民が許すはずはありません。
小麦は日本人の食生活には欠かせませんので、国産小麦の増産は重要であるという帰結は一定の説得力があります。
小麦の自給率は15%程度です。
しかも小麦の収量は10a当たり約400kg、どんなに頑張っても収入は3万円程度です。
しかもお米と違って湿潤な土壌を嫌う小麦は日本の風土の中では、天候によって品質のばらつきが大きくなりがちです。
米作も儲からないと言われながら安定して10万以上/10aにはなります。
日本の気候・狭い耕地面積の中では、どんなに頑張っても「小麦」の生産で採算は合わない。
むしろオーストラリアやアメリカの農家と長期に安定した契約を結ぶことに専念したほうが、食料保障上からも重要ではないと思います。
できれば讃岐うどん専用とか、ラーメン専用とか、日本人の食感には合うが(たぶんしっとり感のあるパンかな)、欧米人には合わない日本人専用の品種を開発して、日本以外では高値で売れないような品種を、敢えて少し高めで毎年必ず買うという契約を結ぶことのほうが理にかなっている様な気がします。
小麦の輸入では、農林省はずいぶん儲かっていますし、ほとんどの農家にとっては無理やり作らされて個別補償として補助金を受け取っても、なかなかモチベーションは上がらないのではないかと思います。
こんなこと発言して良いかなとは思いつつ、少し軽いノリでつぶやいてみました。
2011.02.01 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
皆さんこんにちは
皆さんニュースでよく知っている通り、1月26日午後、豊橋の15万羽を飼育するウインドレスタイプの近代的な鶏舎で鳥インフルエンザが発生したというニュースが全国に流れました。
私はこのニュースの聞いた時、これは大変なことになるのではないかと恐れました。15万羽を飼育する農場であれば、相当な設備で予防をしていることは間違いないと思ったからです。
連鎖的に他の鶏舎でも鳥インフルエンザが出たならば、日本中がパニックになり、卵が食べれなくなるのではと思うほどでした。報道では名前は出ませんでしたが、個人的なルートで、私の知っている尊敬する大先輩の経営であることは分かりましたし、隣はやはりよく知っている著名な肉牛の生産者でしたし、半径10km以内で出荷が出来ない生産者も何人かよく知っています。
日本の農業の中で鶏卵は最も資本集約が進み、国際競争力も高い産業です。30年前の卵は20円でしたが、今も20円以下です。たぶん30年前よりも安いですし、それ以前はもっと高価な食品でした。少なくとも自分が会社に入った時の初任給は10万円前後だっと思いますが、今は約20万です。
なぜ卵はかくも長い間値段が変わらないのか、むしろ安くなっているのか、農業関係の会社である当社に入社する皆さんには少し考えていただきたいと思います。
かつて鶏卵を出荷する農家は何10万といました。今は全国でたった3000程度です。何10万の農家から3000になる過程においては、すざましい歴史があったのです。上記のインフルエンザが発生した経営体も、もともとは農家ではなく、鶏卵生産農家に飼料を売る業者だったのです。多くの鶏卵農家は、鶏卵の価格の乱高下にとって経営が苦しくなり、飼料を買う業者への借金が払えなくなりました。また飼料販売業者も意図したわけではないですが、支払いのできない農家の経営に自ら乗り出し、経営に参加することによって、借金の返済を図らざるを得なかったのです。
このようなことはビジネスの世界ではよくあることです。借金の返済が滞っているお客様(生産者)に対して、生産資材の供給を止めれば、相手は破産の危機に瀕します。しかし売り続ければ不良債権が増大するリスクが高まります。さあどうするかです。
多くの飼料業者は、その生産者を倒産させる代わりに 自らがその経営に乗り出し、債権の回収を図るという選択をしたのです。そして風雪に耐えた一部の経営感覚の優れた農家と資本力のある飼料業者がひたすら生産性アップを追求したのが現在の鶏卵業界の姿です。
私の個人的な見解を述べさせていただくならば、10円近い値段の卵が普通だと思っている消費者の常識の方が、むしろ考え直すべきではないかと思います。30年前の物価の水準からいえば、40円から50円くらいが妥当な価格です。消費者が50円の卵を買ってくれるなら、生産者も理想的、健康でかつ環境にも優しい、リスクにも強い卵が生産できるのではないかと思います。
豊橋での鳥インフルエンザの発生後の愛知県行政の対応はさすがにスピード感があり、今のところ素晴らしいと思います。2年前のウズラの教訓がしっかり生きていると思います。最速で2月3日には他の生産者の出荷制限が解除される見通しです。現場で頑張っている職員の多くは、1秒でも早く生産者の苦しみを解消しようと必死になって努力しているのだと思います。
殺される鶏は本当に気の毒です。殺された鶏の為にもこのままインフルエンザが終息し、原因と対策がしっかりと取られることを強く望みます。
2011.01.25 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
皆さんこんにちは
先週は、会社の研修(ランチェスター研修)の合宿で、奥三河の湯谷温泉ホテル「泉山閣」という処に宿泊しました。
ほかのメンバーは朝からバスで行ったのですが、私は午前中用事があり、1時間に1本の各駅停車の飯田線に乗ること70分、「湯谷温泉駅」で下車しました。何も目新しいことはないように思うかもしれませんが、改めてこの「飯田線」は市内を走るチンチン電車(市電)とともに豊橋市民が誇るべき素晴らしい財産だと感激しました。今までこの町に住みながら飯田線で新城以北に入ったことがなかったのです。しかし今回飯田線の真の魅力は新城を過ぎてからの山間の田園風景や渓谷であることがよくわかりました。また同時に山村に入るほど乗り降りする乗客の数が減り、かつ平均年齢が高くなることも実感しました。電車に乗りながら過疎と高齢化という社会の現実を体験することができます。
そして何よりも遅いとはいえたった70分の電車の旅で、旅情を誘う湯谷温泉に着き、少し濁り湯の素晴らしい温泉に入りながら、トンビの声がこだまする美しい川と渓谷を眺めることができる満足感を味わうことができるのです。50年以上この地に住みながら、こんな素晴らしい体験がたった70分の電車旅でいつでも手に入れることができるんだという「発見」に私は胸がわくわくしました。本当です。
また泉山閣は手作りの心の通う素晴らしい旅館です。皆さんも同期会とか、家族会とか色々使えそうですよ。豊橋駅から飯田線鈍行で約70分、駅から泉山閣は300メートルくらい歩くだけです。
先週の新聞記事より
年を明けてから「管総理」の態度がかなり変わったと思いませんか?「財政再建」と「貿易の自由化」そして政治的には「小沢さんの追い落とし」へ と突き進めることの覚悟を決めたような気がします。おそらくこのまま突っ走るでしょう。TPP参加も間違いなく本気です。実際産業界は70%以上TPP参加を是としているようなので、この流れは止められないでしょう。
私は豊橋の農業委員なのですが、先日TPP反対の請願書を作ることになり、その作成に関わりました。農業委員会の立場としてはTPPには絶対反対なのですが、今回ばかりは多くの農業寄りの政治家も「参加やむなし」に傾きつつあるように感じます。私個人の意見としては、TPPへの早期の参加は米国の戦略にはまるだけのように感じています。戦略的な対策もなくスピードだけを重視するならば、農業が壊滅するだけでなく、上記でも述べた日本の美しい田園風景そのものが壊滅してしまうのです。それよりもオーストラリア及び韓国、そしてEUとのEPA締結を優先させたほうがよいと思います。その後最後の強敵、米国と中国相手に交渉を始めるべきだと思っています。農産物の貿易自由化で一番打撃を受けるのは、米と乳製品、そして 牛・豚です。当社の主なお客様である施設園芸農家はほとんど影響を受けません。むしろ自由貿易をきっかけとして輸出のチャンスが拡大したと考えたほうがよいでしょう。日本は農産物の輸出についても、障壁が多すぎるのです。その点は多くの関係者が指摘している通りです。その是正を強く求める運動を起こしたほうが良いと思います。いずれにせよ専業で頑張ろうとしている農家は、自由化の流れをチャンスととらえ、輸出を含む販売戦略の構築に力を注いだほうがずっと良いというのが私の意見です。
それではまた来週
2011.01.06 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
あけましておめでとうございます。
弊社は1月4日までお休みをいただき、5日から新年営業開始です。
本年度は、年末年始7日間休業させていただいたのですが、天気予報では正月大寒波の予報が再三流されていたので、休業中にお客様の暖房器が稼働しない、あるいは養液システムが作動しない、または大雪でハウスがつぶれたというような事故が起きないか、大変心配していました。
結果的に予想に反して年明け以降は快晴が続き、お客様に致命的な大事故が起きたという報告は上がってこなかったので安どしているところですが、個別にはかなりのお客様から当社営業の携帯にSOSがあったようで、現在集計しています。
いずれにいたしましても、年末年始の会社としての緊急体制に改善すべき事項が多くあり、今年の年末はどうあるべきか、早速対策を考えたいと思っています。
要はお客様のSOSが、必ず会社に届き、かつお客様のハウスの中の作物が致命的なダメージを与える前に問題解決する体制が整っているかどうか、そしてそのことがお客様に「見えて」いるかどうか、いざという場合でも弊社との取引なら安心と思っていただけるような体制がとれているのかどうかと いうことだと思います。
正直理想からは大分遠いのが実態ですが、できるところから改善いたします。
一方、弊社社員も今では地元出身者よりも、遠地のものも多く、正月くらい実家でゆっくりさせてやりたいと思う親心もあり、調和をとることも大切だと感じています。
新しいHPとなり、このつぶやきコーナーは出来うる限り、日々感じること、些細なことでも書いていけたらと思い、スタートさせていただきます。
それは私自身が新年のあいさつで、お客様に会社が「見える」、社長が「見える」ということが長い信頼関係を結ぶに際してとても重要なことと自ら社員に話したからであります。
文章は上記のように下手ですが、今後も気にしていただけたら幸いです。
今年もよろしくお願い申し上げます。