ブログ「社長のつぶやき」

2024.01.15 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

農業こそ多様性が大事ではないか?

2024年は農業関係も上向くと、大した根拠もなく新年を迎えましたが、いきなり1日には能登半島大地震、翌2日には日航機と海上保安庁小型機が滑走路で激突する等、ショッキングな幕開けとなりました。日航機の乗客・乗員が全員脱出できたのは唯一の吉報ですが、能登支援に向かう海上保安庁小型機の乗員の命と、能登半島で数百人の命が絶たれたことは只々無念です。心中よりお悔やみ申し上げます。

さて本年2024年は、農業基本法が25年ぶりに改定予定です。根底にある思想は「食料安保」と「地球環境問題」への対処にあるようだが、これは根底から疑問がある。「健全でイキイキした農業者」が確保・維持できなければ、上記概念は机上の空論となる。まずは日本農業とそれを担う農家の経済的・精神的地位向上が優先事項だ。西暦2000年頃から弊社においても、園芸先進国オランダに学び、規模拡大と生産性向上に役立つ商品の開発普及に力を注いできた。それが将来の日本農業を救う道だと信じていた。しかし、国は2022年「緑の食料システム戦略」を打ち出した。地球環境への対処と、肥料・飼料等を海外に頼る脆弱な生産基盤に対応するためだろうが現場は混乱した。生産性拡大一辺倒の立場から言えば、相反する事ばかりだからだ。その間を「スマート農業」の推進という言葉で繋げたが、イメージの独り歩きのようで現場は更に迷っている。第一に設備投資しようにも農産物価格は上がらない。農家所得は下がるばかりで設備投資どころではないのが現状だからです。

私は、もう一度農業にも「多様性」概念を大事にできないかと思っている。規模拡大と労働生産性向上を目指す農家・農業法人が今後も中核とは思うが、定年帰農者や新規農業参入者、夢やロマン、または健康への懸念から有機農業を志す人、高齢者や障害を持った方々も生き生きと参加できる農業、また家畜の命のあり方を懸念する人々が始める農業、そんな多様な農業へのアプローチ、そして現場で頑張っている人がいてこそ、日本農業の強さになるのではないかと思う。そして、多様性のある農業とそれを支える農業者に寄り添える会社でありたいと願っています。