ブログ「社長のつぶやき」

2022.03.03 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

ロシアのウクライナ侵攻:食糧問題への影響は根が深い

 核兵器大国であるロシアが、独立した隣国に正面から軍事侵攻したことは、21世紀の驚愕の事件として世界史の教科書に載るかもしれない(2022年3月1日現在 今後の展開不明)。この事実は日本の憲法改正や自衛体制のあり方をめぐる世論にも大きな変化をもたらす可能性がある。しかも長期に渡って深刻な議論が続くと予想する。
 また同時に小生が関わる分野として、世界の食糧問題そして日本の食料安保にも重大な影響があると予感する。国民の多くがより真剣に議論を交わし、新たなコンセンサスが形成される可能性がある。短期的には小麦とトウモロコシ・大豆の価格上昇によって、畜産農家に打撃が及び、街のパン屋さんも値上げの選択を迫られるだろう。近頃はTVでも食の話題は人気テーマ、私も好んで見るのですが、フランス人にとってのバゲット、イタリア人にとってのパスタは日本人のうどん好き・ラーメン好きとはまた違う次元の重要度のような気がします。今でも日本人にとっては「お米」がアイデンティティの中心だと信じています。本論と外れるが日本のお米は余剰気味で値も下がっているので、パン好きな日本人もこの際お米の消費を増やしてくれるとよいのですが・・・。
 本論に戻りましょう。日本においても食料自給率の向上や国内農業の重要性意識は益々高まるでしょう。ウクライナには申し訳ないがそれは中長期的に日本の農業にとっては良いことでしょう。
 しかし一方で原材料価格や燃料価格の上昇が即生鮮農産物価格の上昇につながるわけではないことはどうしても消費者に知ってもらいたい。
 ニュースで原料価格の高騰で生鮮農産物の価格も上昇していると報じていたが、その報道は間違っている。生鮮農産物価格は市場の需給と国民の購買力によって決まり、生産コストの上昇に応じて販売価格が上がるわけではない。くどいと言われるだろうがこの点はどうしても強調しておきたい。多くの消費者が意外と知らない事実だからです。競争の激しい零細な街のパン屋さんやうどん屋さんもなかなか値上げできない点は似ているが、それでも値上の決定権は持っている。
 近年SDGsの観点から「フェアトレード」という概念も理解されるようになってきた。フェアトレードは人権抑圧や低賃金、児童労働、地球環境破壊防止の観点が強いので、上記の議論とは違うことは承知しているが、国内農業の重要性についての議論をすすめると認識ギャップを感じることが多く、その時に思いつくのが「フェアトレード」という言葉となります。ともかくも今回のロシアの蛮行は人類の生存に関わる領域の意識変化、市民の行動変容まで及ぶ可能性があると感じています。