ブログ「社長のつぶやき」

2025.09.30 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

日本農業はどこに行く?

2025年10月 自由民主党総裁選の真っただ中、間もなく決まる。与党ではあるが、公職選挙法による選挙でもないのに各メディアの扱いは大きい。自民党にとってはプラスだろうが、どの候補も農業問題には意識的に深く触れないようにしているように見える。「食糧安保」は「軍事安保」以上に重要性が高いテーマにもかかわらずだ。裏返せば、それだけ難しく、特効薬が見つからないからだろう。私も同様で、これだと明確に言えないのが日本農業の特質だと開き直りたい位である。
中国ではかつて人口抑制目的で「一人っ子」政策を続けたが、それを解除したときには時すでに遅し、人口減少社会に突入している。素人考えではあるが、身近でも田畑が減り、あるいは遊休化していく中で、もはや需給調整を国が采配する時期は過ぎたのではないかと思う。放置すれば農地は減り、働く人の高齢化も進む。中小企業の事業承継も難しいが、農家の事業承継はもっと難しい。なんとしてもやりがいのある魅力的な産業に育てなければ、じり貧は続くだろうと思う。実際農林省自体が20年後には基幹的農業者の数は3分の1以下になると予測している。処方箋としては大規模経営による生産性向上や「スマート農業」を打ち出すが、どうもそれだけでは、日本農業の未来図が描けない現実もある。カーボンニュートラルへの取り組み、有機農業の取り組みもテーマとなり、上記との整合性も定かではない。また農業が持つ多面的な価値や多様性への価値も人によって意見が異なるだろう。

失われた30年と言われ、ここにきて国は成長する社会を目指し、まずは給与・時給アップを実施している。中小企業の実情も踏まえてとの声も上がるが、本当に踏まえなければいけないのは「農業者の経営状況の改善」ではないだろうか? 自営農家には最低賃金アップの恩恵はないし、雇用人材を抱える農家は人件費アップを価格に転嫁したいが、市場は需給のバランスしか見てくれない。

どちらかと言えば愚痴のような話題ばかりになりましたが、個人的には農業の「多様性」、社会や文化における価値に注目しながら、日本農業の未来に役立つ会社をめざしたい。