ブログ「社長のつぶやき」

2017.07.29 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

苗半作は昭和の時代

 私が入社したのは1980年、篤農家と言われる大切なお客様を回ると、よく苗作りの大切さを教えていただいた。当時のトマト栽培は純系のファーストトマト(固定種)が多く、苗の出来不出来で、収量・品質が大きく変わるとのことでした。苗半作、苗七分作とまで言われた。自家製の完熟堆肥をブレンドした3.5寸苗、第一花房の花が咲く手前の大苗で、かつ茎の太さは鉛筆位がいい・・。 当時の多くの農家は、本業と別に自家菜園用の西瓜や、胡瓜、茄子等も種から育てる人が多かったように思う。その流れが変わってきたのは昭和から平成に変わる1990年代だったと思う。農家は栽培に専念して、苗は専門業者から買った方が合理的だという考え方が徐々に広がってきた。特に夏のトマト栽培は、病害虫対策、そして高収量栽培を目指す観点から接木苗が増えてきたことが直接的な要因と思う。春先の西瓜や、茄子の接木ならともかく、夏の接木作業、そしてその養生は大変な苦労がかかる。しかも苗作りは、収穫期と違い、収入にならない上に、24時間心配で落ち着かない。苗がある限り家を空けるような家庭サービスもできない。特に大規模高収量栽培を目指す農家層は、栽培に専念して、せめて苗作り期は少し余裕を持ちたいと思うのは当然の帰結と推察します。

 弊社においてもそうしたニーズに答えるべく、苗事業を拡大してきた。
苗生産施設
会社にとってのコアビジネスは「種苗業」、従って苗の生産販売は、弊社にとって一丁目一番地の業務と認識しています。施設園芸で規模拡大を目指す農家の苗に対するニーズはより細かく、多種多様であり、品質に対する要求も大変厳しく、お叱りを受けることもある。かつて「苗半作」と言われたように、買苗に代わっても、苗の重要さが減じたわけではない。夏場は特に忙しく、苗作りに携わる職員は夜も心配で中々眠れないとも聞く。しかし会社としては引き続き生産力アップと品質アップを絶対の条件として、お客様が望むニーズに答えられるよう苗ビジネスの拡大を図っていきます。